特定技能ビザの申請手続きと必要書類の全体像

特定技能ビザを取得するには、外国人の在留状況に応じて異なる申請手続きを踏む必要があります。国内在住者と国外在住者では流れや必要書類が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。また、申請には複数の書類を用意しなければならず、企業側にも相応の準備が求められます。

本記事では、特定技能ビザ申請の流れ、必要書類、注意点、費用相場についてわかりやすく整理します。

特定技能とはどんな在留資格か

特定技能は、人手不足が深刻な産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が就労できる制度です。現在、対象分野は16に拡大されており、建設、農業、介護、製造業、外食業など多岐にわたります。

特定技能には「1号」と「2号」があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年まで無期限(更新可能)
同伴家族原則不可条件を満たせば可
技能水準一定の技能熟練した技能
対象分野16分野11分野(介護を除く)

国内在住の外国人を採用する際の手続き

日本国内にすでに在留している外国人を対象に特定技能ビザを申請する場合、主に以下の手順で進めます。

技能試験と日本語試験の合格

  • 対象分野の技能評価試験の合格
  • JLPTまたはJFTによる日本語能力の証明
  • 技能実習2号を良好に修了していれば試験が免除される場合もあり

雇用契約の締結

  • 報酬、労働条件、労働時間などの明記が必要
  • 契約締結は試験合格前でも可能

特定技能外国人支援計画の策定

  • 日本語学習支援
  • 生活に必要な契約や手続きの補助
  • 出入国時の送迎や相談窓口の設置

在留資格変更許可申請

  • 出入国在留管理庁へ申請
  • 必要書類をすべてそろえて提出

就労の開始

  • 在留資格の変更許可後、就労が可能
  • 活動状況の定期報告が必要(3ヶ月ごと)

国外在住の外国人を採用する際の手続き

海外から特定技能人材を呼び寄せる場合の流れは、国内採用と似ているものの、いくつか異なる点があります。

海外からの採用に必要な手順

  1. 技能試験・日本語試験の合格または技能実習2号修了
  2. 雇用契約の締結(国によっては送出機関経由)
  3. 支援計画の策定
  4. 在留資格認定証明書の申請(企業が代理申請)
  5. 在外公館でビザ申請
  6. 入国・在留カード交付後に就労開始

海外受験が難しい場合の対応

  • 短期滞在ビザで来日し、日本で試験を受験する方法もあり

特定技能ビザの申請に必要な書類一覧

外国人が準備する書類

  • 履歴書、健康診断書、試験合格証
  • 日本語試験合格証または技能実習2号修了証
  • 税・保険・年金関連の証明書類
    • 市民税課税証明書
    • 年金記録照会結果
    • 健康保険証の写し
    • 保険料納付証明書

企業側が準備する書類

  • 登記事項証明書、会社概要資料
  • 財務書類(過去2年分の決算書・納税証明書など)
  • 支援計画書および支援委託契約書(委託時)
  • 分野ごとの追加書類(例:建設業は認定証の写し)

書類の不備がもたらす影響

  • 書類の不足・誤記入は審査遅延または不許可の原因に
  • 最新の申請要件に従い、都度確認が必要

特定技能ビザ申請にかかる費用とその内訳

申請には申請代行費用や支援費用が発生します。以下は目安です。

費用項目金額(目安)
ビザ申請代行費15~25万円/名
在留期間更新手続き2~5万円/名
法定支援業務委託料月額2~5万円/名
  • 自社対応によるコスト削減も可能だが、専門知識が必要
  • 登録支援機関への外部委託で手続き負担軽減が期待できる

特定技能ビザ申請時の注意点

審査期間に余裕をもつべき理由

  • スムーズに進んでも就労開始までに3〜6ヶ月を要することが一般的
  • 不備があると審査がさらに遅れる

雇用契約後の対応事項

  • 事前ガイダンスの実施
    • 日本での生活や労働に関する説明
    • 対面またはオンライン(ビデオ通話)で実施
  • 健康診断の提出
    • 国内は過去1年以内、国外は3ヶ月以内の診断書が必要

自社対応か外部委託かの判断ポイント

  • 自社での対応には工数と知識が必要
  • 外部委託による効率化で、採用後のミス防止が可能

スムーズな申請には計画的な準備が不可欠

特定技能ビザの申請は、手続きの流れや必要書類の理解、そして時間的余裕をもった準備が不可欠です。国内外のどちらから人材を受け入れる場合でも、それぞれに応じた対応が求められます。

申請に必要な知識や実務負担を考えると、専門家への相談や登録支援機関への委託も有効な選択肢です。採用活動を円滑に進めるためにも、早めの情報収集と体制づくりを心がけましょう。