特定技能外国人を受け入れる企業には、3か月ごとの定期面談と届出の義務があります。適切な面談の実施と書類提出は、外国人材が安心して働ける環境づくりに欠かせません。
本記事では、定期面談の目的、確認すべき具体項目、面談後の手続き、違反時の対応までを詳しく解説します。制度を正しく理解し、トラブルの未然防止と円滑な雇用継続に役立てましょう。
特定技能外国人の定期面談の基本概要
特定技能1号の外国人を受け入れている企業は、3か月に1度、定期面談を行い、その内容を所定の書式に基づいて報告する義務があります。これは、労働・生活環境の適正を確認し、問題を早期に発見・解決するために設けられた制度です。
面談は外国人本人とその上司に対して別々に実施し、双方の意見や状況を確認する必要があります。面談後は、報告書や支援状況などの書類を作成し、管轄の出入国在留管理局へ届け出ます。
面談時に遵守すべき運用ルールと注意点
実施言語と面談者の姿勢
面談は、外国人が理解できる言語で実施しなければなりません。必要に応じて通訳の配置も求められます。
- 外国人の日本語レベルに応じて言語を選定
- 通訳が必要な場合は、事前に手配
- 面談者は中立・公平な立場で対応
- 生活情報や災害対応などのオリエンテーションも併せて実施
外国人が本音を話せるような信頼関係づくりも、面談を円滑に進めるうえで重要です。
面談時に確認すべき具体的な項目
雇用契約に基づく業務内容の確認
契約外の業務や不適切な労働環境を見逃さないために、次のポイントを確認します。
- 契約と一致した業務内容で働いているか
- 他の事業所での業務に従事していないか
- 労働環境が安全衛生に配慮されているか
賃金・労働時間などの待遇確認
待遇に関するトラブルを防ぐため、以下の点を細かくチェックします。
- 給与や手当が契約通り支払われているか
- 労働時間や休日の条件が守られているか
- 食費・住居費が合意通りに運用されているか
- 支援計画に基づいた支援が提供されているか
人権保護と不当な制限の有無
外国人の自由や財産が不当に制限されていないかを確認することも不可欠です。
- 保証金や違約金の契約が存在しないか
- 預金通帳や在留カードを預けさせられていないか
- 暴力・脅迫・監視的行為が行われていないか
生活環境の安定性と健康面の確認
生活面でのトラブルや健康問題が、就労継続に影響を与えるケースもあります。
- 住環境が清潔・安全であるか
- 公共料金やゴミ出しなどで困っていないか
- 身体的・精神的な健康状態に問題がないか
コミュニケーション環境と違法就労の防止
- 言語や文化の違いによる摩擦が発生していないか
- 職場に不法就労者がいないかを面談で確認
違反行為が見つかった際の対応方法
定期面談で法令違反が発覚した場合、所属機関は速やかに関係機関へ通報する義務があります。以下のような対応を取ることが求められます。
違反が発覚した際の対応フロー
- 労働基準監督署や関係行政機関への通報
- 外国人本人には状況説明と相談機関の案内
- 所属機関は出入国在留管理局へ報告書を提出
- 通報内容、通報日時、対応内容を文書で記録
この対応が不十分であると判断された場合、受入れ停止や指導の対象となることがあります。
面談後に必要な届出手続きの流れ
面談実施から書類提出までのステップ
面談の実施
面談は、以下の組み合わせで別々に実施します。
- 支援責任者・担当者 × 特定技能外国人本人
- 支援責任者・担当者 × 外国人の上司または監督者
それぞれの視点から状況を把握し、記録に残します。
書類の準備
面談後は、定められた書類を作成し、内容に不備がないかを確認します。
- 定期面談報告書
- 相談記録書
- 支援実施状況に係る届出書
- 受入れ状況・報酬の支払状況届出書
- 活動状況に係る届出書
- 賃金台帳(本人分)
管轄機関への提出
書類提出は、地域の出入国在留管理局または支局へ行います。窓口だけでなく、郵送での対応も可能です。提出期限を守ることが、受入れ継続の条件となります。
定期面談の適正運用で安心できる受け入れ体制を構築
特定技能外国人の定期面談は、外国人材と企業の双方にとって安心できる雇用環境を維持するための重要な手続きです。業務内容や待遇、生活面の確認を通じて問題を未然に防ぎ、必要書類を期日までに適切に提出することで、行政対応にも万全を期すことができます。
ルールに基づいた運用を継続することで、長期的で安定した人材確保と信頼ある受け入れ体制の構築につながります。適正な面談の実施と報告により、外国人労働者に選ばれる企業を目指しましょう。


