特定技能の在留資格を持つ外国人は、日本の深刻な人手不足を背景に導入された制度に基づいて雇用されますが、アルバイトとして採用することは原則認められていません。この制度ではフルタイム勤務が前提とされており、例外的に農業や漁業分野においてのみ、派遣での雇用が可能です。
一方で、外国人をアルバイトとして雇用したい場合は、特定の在留資格が必要となります。本記事では、特定技能外国人がアルバイトとして働けない理由と、アルバイト雇用が可能な在留資格の種類や条件を詳しく解説します。
特定技能外国人のアルバイト雇用が認められない理由
特定技能制度は、介護や建設、外食業など16の特定分野において人手不足を補うために設けられた制度です。この制度において求められているのは、即戦力として長時間働ける労働力です。
特定技能の就労条件には以下が含まれます。
- 週30時間以上の勤務
- 週5日以上の出勤
- 年間217日以上の稼働
これらの条件を満たすことが義務付けられており、パートタイムや短時間労働での雇用は制度の目的に合致しません。そのため、特定技能外国人をアルバイトとして雇用することは原則禁止されています。
派遣が例外的に認められる農業・漁業分野の雇用
農業や漁業は、季節や時期によって労働力の需要が大きく変動します。これらの分野に限り、派遣という形態での雇用が特例的に認められています。ただし、派遣先でもフルタイム勤務が必要です。
派遣雇用を行う場合には、派遣元・派遣先の双方に厳格な要件があります。
派遣元企業の条件
- 農業・漁業関連の業務を主たる事業としている
- 地方公共団体などが出資や運営に関与している
- 国家戦略特区に基づく指定機関であること
派遣先企業の条件
- 労働関連法令・社会保険・税務法令を順守
- 不適切な解雇や行方不明者の発生歴がない
- 出入国・労働関連法令に違反していない
これらの条件を満たすことで、特定技能外国人の派遣雇用が一部認められています。
特定技能外国人は契約社員として雇用可能
特定技能外国人は、直接雇用に限り、契約社員や正社員としてのフルタイム雇用が可能です。契約社員として雇用する際にも、以下の条件を満たす必要があります。
- 週30時間以上勤務
- 日本人と同等以上の労働条件
- 直接雇用による雇用契約
派遣雇用が認められるのは、農業・漁業のみに限定されており、その他の業種では派遣は認められません。
アルバイト採用が可能な在留資格とは?
外国人をアルバイトとして採用するには、アルバイト就労が可能な在留資格を持っていることが条件です。該当する在留資格は以下のとおりです。
身分・地位に基づく在留資格を持つ外国人の雇用
以下の在留資格を持つ外国人は、就労に制限がないため、アルバイトも自由に可能です。
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
これらの資格を持つ人材は、フルタイム・パートタイム問わず、幅広い職種で働くことができます。
留学生ビザ保有者のアルバイト雇用の条件
留学生は、原則として就労できませんが、「資格外活動許可」を取得することでアルバイトが可能になります。
主な制限事項
- 週28時間以内の労働
- 長期休暇中は1日8時間まで可
- 学業の妨げにならないこと
雇用前には、在留カードの裏面を確認し、資格外活動許可があるかを必ず確認する必要があります。
家族滞在ビザを持つ外国人の雇用条件
家族滞在の在留資格では、配偶者や子どもが日本に同行するためのビザであり、就労は原則認められていません。ただし、資格外活動許可を取得すれば、留学生と同様に週28時間以内のアルバイトが可能です。
技術・人文知識・国際業務や技能の在留資格の場合
これらの資格を持つ外国人は、専門的な業務に従事するための在留資格です。アルバイトは、資格の範囲内の業務であれば可能です。
例
- 通訳がカフェで外国語を活用した接客をする
- 調理師が同ジャンルの料理店で働く
異なる分野で働く場合には、別途資格外活動許可が必要になります。
特定活動の在留資格を持つ外国人の扱い
特定活動は、個別の事情に応じて設定される在留資格であり、就労の可否はケースバイケースです。
アルバイトが可能な例
- 就職活動中の特定活動
- 新型感染症の影響により一時的に在留資格を変更した場合
就労の可否については、パスポートに添付された指定書を確認することが重要です。
資格外活動許可の申請と確認の重要性
外国人が在留資格の範囲外で働く場合、資格外活動許可の取得が必須です。未取得のまま働かせると、企業も重大な法的責任を問われます。
資格外活動許可申請のポイント
- 地方出入国在留管理官署で申請可能
- 審査に数週間かかる場合があるため早めの対応が必要
- 在留カード裏面に「資格外活動許可済」の記載があるか確認
不法就労のリスクと企業が負う責任
資格外活動許可なしでの就労は、不法就労助長罪に該当するおそれがあります。雇用主にも厳しい罰則が科される可能性があります。
企業側のリスク
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 社会的信用の失墜
- 再発防止の指導・監査対象になることも
まとめ:在留資格に応じた適切な雇用が必要
特定技能外国人は、日本での安定したフルタイム雇用を前提としており、アルバイトとしての採用は原則できません。一方、アルバイト採用が可能な在留資格を持つ外国人も多く存在し、それぞれに応じた法的手続きや制限があります。
外国人の雇用を行う際には、以下の点を必ず確認しましょう。
- 在留資格の種類とその就労条件
- 資格外活動許可の有無
- 雇用契約の内容が資格条件に合致しているか
法令を遵守した適切な対応により、安定した人材確保と信頼性の高い雇用関係の構築が可能になります。


