外国人労働者の採用費用と内訳を徹底解説

日本企業が人材不足を補う手段として、外国人労働者の採用はますます重要になっています。しかし、外国人を採用する際には、日本人とは異なる費用構造が存在し、事前の把握が欠かせません。

本記事では、海外・国内在住者の採用パターンごとの費用、特定技能制度を活用した場合の詳細、採用コストを抑える工夫、助成金の活用まで網羅的に解説します。費用の全体像を把握し、無理のない採用計画を立てるための参考にしてください。

外国人採用の費用は在住地で大きく異なる

外国人労働者の採用費用は、海外から呼び寄せるのか、すでに日本国内に住んでいる人を採用するのかで大きく異なります。それぞれのパターンで発生する主な費用を見ていきましょう。

海外在住の外国人を採用する際の主な費用項目

海外在住の外国人を日本に呼ぶ場合、以下のような多岐にわたる費用が発生します。

  • 人材紹介手数料:1人あたり約50万円前後
  • 求職者募集費用:現地広告費や面接会場の手配費など
  • 日本語教育費:数万円〜数十万円(教育レベルにより変動)
  • 在留資格申請費:自社対応なら約2万円、外部委託なら3〜4万円
  • 健康診断費:1万円前後(診断書発行費含む)
  • 渡航費:片道10〜15万円程度(地域や時期により変動)
  • 住居準備費:敷金・礼金・家電準備など含めて15〜30万円

このように、海外からの採用は初期コストが高額になるため、複数人を同時に採用する場合には全体で数百万円単位の費用が必要になることもあります。

日本在住の外国人を採用する場合の費用構成

すでに日本国内に在住している外国人を採用する場合、費用は比較的抑えられますが、以下のコストが想定されます。

  • 紹介手数料:1人あたり約50万円(人材紹介会社を利用する場合)
  • 健康診断費:約1万円
  • 在留資格変更手続き費用:申請料5,000円程度、行政書士へ依頼する場合は5〜10万円程度

国内在住者の採用は、渡航費や住居準備費が不要になる分、全体の負担は軽減される傾向があります。

特定技能での採用に必要なコストとは

特定技能制度を利用して外国人を雇用する場合、企業には「支援責任」が発生するため、一般の採用と比べて追加費用が必要になります。

海外在住者を特定技能で採用する費用例

  • 送り出し機関手数料:20〜60万円
  • 人材紹介料:30〜60万円
  • 渡航費:4〜10万円
  • 在留資格申請費用:10〜20万円
  • 住居準備費用:15〜30万円
  • 支援委託費:月額2〜4万円
  • 事前ガイダンス費用:1.5〜4万円
  • 在留資格更新費:4〜10万円

国内在住者を特定技能で採用する費用例

  • 人材紹介手数料:30〜60万円
  • 支援委託費:月額2〜4万円
  • 在留資格関連費用:10〜20万円
  • 住居準備費用:本人希望によっては15〜30万円

義務的支援として、出入国時の送迎、生活支援、転職支援などがあり、これらの費用は企業が全額負担しなければなりません。

外国人と日本人の採用コストを比較する

採用コストを比較する際、多くの企業が「外国人のほうが安く採用できるのではないか」と考えがちですが、実際にはそう単純ではありません。

コスト比較の目安

  • 外国人(海外在住者):約86〜198万円
  • 外国人(国内在住者):約62〜128万円
  • 日本人(中途採用):平均約103万円

海外からの外国人採用は、準備費用・生活支援費が重なるため、日本人よりコストが高くなるケースも珍しくありません。特に、紹介手数料や支援費用が負担を増やす要因となります。

外国人採用にかかる費用を抑える工夫

採用費用を最小限に抑えるためには、採用方法や支援の仕組みを見直すことが有効です。

求職者を集める方法を工夫する

  • 現地の大学や専門学校と連携しスカウト活動を行う
  • 日本国内の日本語学校や大学で求人情報を掲示する
  • SNSや口コミを活用して低コストで情報発信する

こうした工夫によって、広告掲載費用やイベント運営費などを削減できます。

リファラル採用の導入

既存の外国人従業員からの紹介を活用することで、人材紹介手数料を回避できます。紹介制度にインセンティブを設けることで、質の高い候補者を集めやすくなります。

紹介会社の比較と選定

紹介手数料は会社ごとに大きく異なるため、複数社を比較して条件の良い会社を選ぶことで費用を抑えられます。成果報酬型や定額制など、支払い条件にも注意が必要です。

外国人雇用で利用できる助成金制度

採用にかかる費用の一部を助成金で補うことも可能です。利用条件を満たせば、初期費用や教育費の負担を軽減できます。

主な助成金と概要

  • 人材確保等支援助成金
    • 上限72万円、労働環境整備に活用可能
  • 雇用調整助成金
    • 労働者1人1日あたり8,635円まで支給
  • トライアル雇用助成金
    • 月額4〜5万円、試用期間中の支援金
  • 人材開発支援助成金
    • 1時間あたり最大960円(職業訓練の実施が条件)

助成金を活用することで、採用初期に発生する大きなコストを軽減できるため、積極的に情報収集しておくことが重要です。

外国人採用は費用の全体像を把握して計画的に進める

外国人採用には、日本人採用にはない独自の費用が多く含まれています。在留資格の取得支援、生活環境の整備、支援体制の構築など、事前に必要な費用を具体的に把握しておくことで、採用後のトラブルを防ぐことができます。

採用の目的が「コスト削減」ではなく「人材確保」であることを前提に、総費用を明確にし、助成金の活用や採用ルートの見直しによって、無理のない採用を進めましょう。採用活動は単なる人材確保ではなく、長期的な戦力化を見据えた投資です。事前準備と正しい知識が、成功の鍵となります。