特定技能「外食」は、外食業界における深刻な人手不足を解消するために創設された在留資格です。この資格を取得するには、所定の日本語能力と技能に関する試験に合格する必要があります。
本記事では、試験の内容や出題範囲、申し込み手順、受験時の注意点を詳しく解説します。採用を検討している企業側にとっても、制度理解と試験情報の把握は外国人材の適切な受け入れに欠かせません。
外食業向け特定技能制度の特徴
外食業分野の特定技能資格は、国内の人手不足を補うために外国人の採用を促進する仕組みです。飲食店や配達、給食サービスなど幅広い業種での勤務が可能です。
雇用にあたっての基本条件
- 直接雇用に限定(派遣不可)
- フルタイム勤務が必須(週5日以上、年間217日以上、週30時間以上)
- 日本人と同様の労働条件での雇用
働ける業務には、以下のような内容が含まれます。
- 調理、接客、店舗管理など外食業務全般
- 業務の一部に限って従事することも可能
- 関連する付随業務も従事可能
外食業分野で求められる2つの試験
特定技能「外食」を取得するには、日本語試験と技能試験の両方に合格する必要があります。
日本語能力試験の要件
以下のいずれかに合格することが求められます。
- JFT-Basic:年6回実施、CBT形式で結果が早く出る
- JLPT N4以上:年2回実施、マークシート形式で信頼性が高い
日本語能力の目安としては、日常会話や業務上のやりとりが基本的に理解できるレベルが求められます。
外食業技能測定試験の概要
技能試験は学科試験と実技試験の2部構成です。
学科試験の出題分野(全30問)
- 衛生管理(HACCP、食中毒対策)
- 飲食物調理(食材や調理器具の知識)
- 接客サービス(マナー、クレーム対応)
実技試験の形式(全15問)
- 図表を用いた正しい行動判断
- 作業計画立案の問題(計算式あり)
合格基準:学科・実技それぞれ65%以上の得点が必要です。
外食業技能試験の受験方法と必要事項
受験資格と年齢条件
- 満17歳以上(インドネシア国籍の場合は18歳以上)
- 試験日に在留資格を有していること
- パスポートなど有効な本人確認書類が必要
受験料と支払い方法
- 日本国内での受験料:7,000円(税込)
- 支払い方法:
- クレジットカード
- コンビニ決済(日本国内のみ)
- ペイジー(日本国内のみ)
試験会場と日程の確認
試験は国内外で実施されており、地域によって開催場所や時刻が異なります。試験情報はOTAFF(外国人食品産業技能評価機構)の公式サイトで確認可能です。
試験当日の持ち物と注意点
試験当日に持参すべきものは以下の通りです。
- 受験票
- 在留カードまたはパスポート
- HB鉛筆、消しゴム
- 電卓(必要な場合のみ)
- 本人確認書類(有効期限内)
注意点:
- 鉛筆削りやシャープペンは使用不可
- 本人確認書類は原本のみ有効、スマートフォン画面は不可
- 登録氏名と本人確認書類の氏名が一致していないと無効
申込から受験までの流れ
特定技能「外食」試験の申込手順
- 試験案内と受験資格の確認
- マイページ登録(審査に最大5日)
- 試験申込(抽選制の場合あり)
- 抽選結果確認後、受験料支払い
- 受験票ダウンロード
- 試験受験、結果確認
- 合格後、マイページから合格証をダウンロード
実施状況と合格率の動向
技能試験の合格率は全体で60%前後となっており、合格が難しいわけではないものの、準備は欠かせません。会場ごとに合格率に差があり、特に都市部では合格率が低下する傾向があります。
試験に関する重要な注意点
試験を受けるにあたっては、以下の点に十分注意が必要です。
- マイページの二重登録は禁止(違反で最長5年間受験不可)
- 技能実習2号修了者は一部試験免除される場合あり
- 申し込みは抽選制になることがある
- 不正行為があった場合は採点除外や失格となる
出題範囲と学習方法
出題範囲の詳細
- 衛生管理:食中毒予防、HACCP、洗浄消毒の知識など
- 調理知識:食材の扱い、調理法、調理機器の安全使用
- 接客対応:マナー、アレルギー対応、災害時の行動など
学習用テキストとサポート言語
外食業技能測定試験には多言語対応の学習テキストが用意されており、以下の言語で利用可能です。
- 日本語、英語、ベトナム語、タイ語、クメール語、ネパール語、インドネシア語
外食業で外国人材を採用する企業の準備事項
採用する企業側も、試験内容や制度の流れを正しく理解しておくことが重要です。制度理解が不十分なまま採用すると、就労開始後のトラブルにつながる可能性があります。
企業側が確認すべきポイント
- 特定技能の対象業務と職種の適合性
- 就労条件や雇用形態の法的制限
- 在留資格取得後のサポート体制の整備
まとめ
特定技能「外食」は、業界の人材不足を解消する手段として有効な制度です。試験の内容や手順を正しく理解することで、外国人材の円滑な受け入れが可能になります。
雇用側も制度への正確な知識を持ち、外国人労働者とともに働く環境づくりに努めることが求められます。


