特定技能外国人の採用国一覧と国別手続きの注意点

外国人を特定技能で採用する際、対象となる国は原則自由ですが、国ごとに必要な手続きや注意点が異なります。特に、送り出し機関の有無や政府との連携体制、必要書類の取得方法は採用に直結する重要な要素です。

本記事では、特定技能の基本的な枠組みから、協定国の一覧、国別の採用上の注意点までを詳しく整理。人手不足解消のため、制度を正しく理解して効率的な採用につなげるための情報をまとめています。

特定技能で採用できる国と基本条件

採用可能な国は原則すべての国籍

特定技能は日本政府が設けた在留資格の一つであり、制度上、国籍に制限は設けられていません。ただし、入国管理上の事情により、特定技能資格での入国が認められていない国も一部あります。

採用不可の国籍例(2024年時点)

  • イラン
  • トルコ

これらの国籍の方は、特定技能による在留資格取得が難しいため、事前に確認が必要です。

特定技能における二国間協定国の一覧

協定国からの採用が主流

日本は特定技能の枠組みで、送り出し国と二国間協定を結んでいます。これにより、制度に基づいた整備された手続きでの人材採用が可能となります。

主な協定締結国(2024年現在)

  • フィリピン
  • ベトナム
  • インドネシア
  • ネパール
  • ミャンマー
  • カンボジア
  • タイ
  • インド
  • パキスタン
  • スリランカ
  • バングラデシュ
  • モンゴル
  • ウズベキスタン
  • ラオス
  • マレーシア
  • キルギス

これらの国は、送り出し機関の整備や政府間ルールに従った人材の送り出しが可能で、実際の採用数も多くなっています。

国別の特定技能採用手続きと注意点

ベトナム人を採用する際のポイント

ベトナムから人材を採用する場合は、政府が定めた手続きを厳守する必要があります。

手続きの特徴

  • DOLAB認定の送り出し機関との契約が必須
  • 推薦者表(ベトナム政府が発行)なしでは在留資格申請不可
  • 書類発行に1ヶ月以上かかる場合もある
  • 日本在住者の採用でも駐日大使館での手続きが必要

対応のコツ

  • 事前に現地手続きを始め、スケジュールに余裕を持つ
  • ベトナム語対応が必要な場面があるため、通訳や自社内のベトナム人材の協力を得るとスムーズ

インドネシア人採用で気をつけたい手続き

インドネシアでは政府が独自のオンラインシステムを運用しており、制度に沿った採用が求められます。

採用時の主な流れ

  • IPKOL(求人情報登録システム)で求人を公開
  • 雇用契約締結後、出入国在留管理庁に在留資格認定証明書を申請
  • SISKOTKLN(労働者登録システム)での登録が必要
  • 登録後、KTKLN(労働者証)を発行し、大使館での登録に進む

採用時の注意点

  • IPKOLへの登録は義務ではないが推奨されている
  • 書類はすべて英語またはインドネシア語での対応が必要

フィリピン人を採用する場合の流れ

フィリピン政府は労働者の国外就労を厳格に管理しており、政府機関との連携が求められます。

主な手続き

  • 認定送り出し機関と契約締結
  • MWO(移住労働者事務所)で面接を受ける(通訳同席可)
  • DMW(移住労働者省)への登録後に雇用契約締結
  • 海外雇用許可証(OEC)の取得が必須

注意点

  • 面接は受け入れ機関代表者が直接行う必要がある
  • コンサル会社による代理面接は禁止されている

ミャンマー人材の採用ルール

ミャンマーは政府認定の送り出し機関の利用が義務付けられています。

特徴的な手続き

  • 求人票をMOLIP(労働・入国管理・人口省)に提出し、許可を得る
  • 雇用契約締結後、労働者はOWIC(海外労働身分証)を申請
  • 在留資格認定証明書の交付申請に進む

現地にいない場合の対応

  • 日本在住者の採用であれば、現地機関を通さず直接採用可能

ネパール人材の採用でのポイント

ネパールでは、比較的自由度の高い採用が可能ですが、事前に必要な準備が多くあります。

採用までのステップ

  • 求人申込を駐日ネパール大使館へ提出(任意・有料)
  • 雇用契約締結後、以下の準備が必要
    • 海外労働保険への加入
    • 社会福祉基金への納付
  • 海外労働許可証のオンライン申請と取得
  • 出国前の健康診断やオリエンテーション受講

期間の目安

  • 許可証取得までに10日程度かかるため、スケジュールに配慮が必要

特定技能採用の現状と今後の展望

対象業界の拡大と特定技能2号への期待

現在、特定技能制度の対象業界は限定的ですが、今後さらなる拡大が見込まれています。

現状の主な業種(特定技能1号)

  • 介護
  • 製造業(素形材、機械等)
  • 農業・漁業
  • 建設業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

特定技能2号のメリット

  • 在留期間の上限がなくなる
  • 家族の帯同が可能になる
  • 長期的な人材活用ができる

外国人採用にあたって準備すべきポイント

スムーズな採用と雇用後のトラブル回避のため、以下の項目を事前に確認しておくことが重要です。

採用前に確認しておくべきこと

  • 採用予定国の制度・手続きの把握
  • 必要な書類や許可証の取得時期と流れ
  • 通訳や書類翻訳体制の確保
  • 支援機関や専門家との連携体制の構築

外国人の特定技能採用は、日本人と異なる要件が多く、制度への理解と準備の有無が採用の成否を大きく左右します。採用を成功させるためにも、制度を正しく理解し、各国の要件に沿った対応を徹底することが求められます。