外国人雇用で活用すべき助成金一覧と申請時の注意点

外国人労働者を雇用する企業が増える中、国は雇用促進の一環としてさまざまな助成金制度を整備しています。これらの助成金は、職場定着や人材育成、雇用安定などを目的としており、外国人雇用の初期費用負担を軽減する効果があります。ただし、申請にあたっては制度ごとの条件や注意点を正しく理解し、計画的な準備が不可欠です。

本記事では、外国人雇用に利用できる代表的な助成金制度とその活用ポイント、注意すべき事項についてわかりやすく解説します。

外国人雇用に使える代表的な助成金制度

外国人を新たに雇用する企業向けに、雇用促進や環境整備、人材育成を目的とした助成金が複数用意されています。

人材確保等支援助成金(就労環境整備コース)

外国人労働者が長期的に定着できるよう、職場環境を整備した場合に支給される助成金です。

対象となる取組の例

  • 就業規則や社内マニュアルの多言語化
  • 通訳者の配置や翻訳サービスの利用
  • 一時帰国制度などの休暇制度の整備
  • 苦情・相談対応窓口の設置

助成額の目安

  • 賃金要件未達成:上限57万円
  • 賃金要件達成:上限72万円(賃金5%以上増額)

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

外国人を含む有期契約社員を正社員に転換した場合に支給される助成金です。

活用のポイント

  • キャリアアップ計画の事前策定が必要
  • 雇用保険の適用事業所であること
  • 賃金や就労条件の改善が求められる

支給額(例)

  • 中小企業:57万円/人
  • 大企業:42万7,500円/人(条件による)

雇用調整助成金

経営環境の悪化により業務縮小を余儀なくされた場合、休業手当や教育訓練の賃金を補助する制度です。

対象となる取組

  • 従業員への休業手当の支給
  • 教育訓練の実施
  • 出向による雇用維持策

助成率

  • 中小企業:最大2/3
  • 教育訓練加算:1日1,200円(上限8,490円/日)

トライアル雇用助成金

職歴やスキルに不安がある求職者を試行的に雇用した場合に支給される制度です。外国人雇用でも活用可能です。

条件

  • ハローワークなどからの紹介があること
  • 原則3ヶ月間の雇用
  • 週の所定労働時間が通常の社員と同等

支給額

  • 月額最大4万円(母子・父子家庭の場合は5万円)

人材開発支援助成金

外国人労働者のスキルアップを目的に職業訓練などを実施した場合に受け取れる助成金です。

主な対象訓練

  • 外部研修(OFF-JT)
  • 社内でのスキル教育
  • 専門知識や日本語教育の研修

助成率(例)

  • 中小企業:経費の45%(訓練内容により変動)

外国人雇用助成金の申請時に必要な準備

助成金を申請するためには、制度ごとに細かい条件が定められており、事前準備が非常に重要です。

在留資格と雇用状況の確認

  • 外国人が就労可能な在留資格を保有しているか確認する
  • 在留カードやパスポートを採用前に必ずチェックする
  • 雇用開始時と終了時にはハローワークへの届け出が必要

書類の整備と提出

  • 各助成金で求められる書類は異なるため、制度ごとに確認
  • 賃金台帳、雇用契約書、就業規則などの整備が必要
  • 原本提出が求められる場合もあるため、保管方法にも注意

助成金申請時の注意点と落とし穴

助成金はあくまでも条件を満たした場合に受給できる制度であり、すべての企業が必ず支給されるわけではありません。

よくある申請時の注意点

  • 受給条件を満たすことが前提:事前に制度の要件を確認し、条件を整えてから申請を進める
  • 即時の資金調達には不向き:受給までに数ヶ月〜1年程度かかることがある
  • 併給の制限がある場合も:複数の助成金を同時に申請する際は併給可能か確認が必要
  • 制度変更のリスク:年度ごとに制度内容や条件が見直されるため、常に最新情報をチェック

助成金以外に利用できる外国人雇用支援制度

助成金以外にも、外国人雇用を支援する公的制度が複数用意されています。

主な支援制度・支援団体

  • 製造業外国人従業員受入事業:製造現場での職業訓練が可能
  • 国際化促進インターンシップ事業:外国人学生の就業体験を支援
  • 外国人雇用管理アドバイザー制度:専門家による雇用相談が無料で可能
  • 国際研修協力機構(JITCO):技能実習や特定技能外国人の支援

これらを併用することで、より安定した外国人雇用の体制を築くことができます。

助成金を活用して外国人雇用を成功させよう

外国人を雇用する際は、各種助成金制度を適切に活用することで、採用・教育・定着までの流れをスムーズに進めることが可能です。ただし、制度にはそれぞれ申請条件や提出書類が異なり、申請には一定の準備期間が必要です。制度の詳細を事前に把握し、自社に合った支援策を選択することで、外国人雇用を成功に導くことができます。

助成金だけに頼るのではなく、各種支援制度や専門機関の活用も視野に入れながら、計画的に人材戦略を進めていくことが、今後の企業成長において重要となります。