人手不足が深刻化するなか、多くの企業が外国人労働者の採用を検討するようになっています。しかし、採用までには在留資格の確認や手続き、生活支援まで多くのステップがあり、正確な知識と準備が必要です。
本記事では、外国人労働者の採用を成功させるために押さえておきたい基本情報から、手続きの流れ、注意点、かかる期間や費用の目安までを詳しく解説します。
外国人採用のメリットと人材確保の可能性
日本国内の労働力不足に対応するため、外国人採用は大きな選択肢となっています。採用することで、以下のような多様なメリットが得られます。
外国人採用の主なメリット
- 人材不足の解消
特に地方やサービス業など、日本人の応募が集まりにくい職場でも人材を確保しやすくなります。 - 優秀な若手人材の確保
日本語能力を習得して来日する外国人の多くは意欲が高く、若年層が中心。成長性にも期待できます。 - グローバル対応力の強化
多言語に対応できることで、海外顧客とのコミュニケーションや情報発信がスムーズになります。 - 海外展開の足がかり
出身国の文化やビジネス慣習を理解している外国人を雇用すれば、海外進出のサポート役としても機能します。 - 助成金の活用が可能
新規雇用やトライアル雇用などで支給される各種助成金が利用でき、コストを抑えた採用が実現できます。
外国人採用における注意点とリスク管理
外国人を雇用する際には、日本人採用とは異なる配慮や知識が求められます。
外国人雇用で気をつけたいポイント
- 言語や文化の違いによるコミュニケーションギャップ
日本語が堪能でも、日本独特の言い回しや曖昧な表現に戸惑うことがあります。 - 在留資格に応じた業務の制限
就労可能な範囲は在留資格ごとに異なるため、業務内容が一致しているかの確認が必須です。 - 煩雑な雇用手続き
在留カードの確認、在留資格の申請や変更、書類作成など、通常の雇用よりも工数が増える傾向にあります。 - 法令違反による企業側のリスク
就労資格のない外国人を雇用した場合、企業も処罰の対象となるため、慎重な確認が求められます。
外国人労働者採用までの流れと実務対応
実際に外国人を採用するまでには、段階ごとの準備と確認作業が必要です。
採用目的と募集条件の明確化
- 業務内容や人手不足の理由を整理
- 必要なスキルや経験、勤務条件を明確に設定
- 採用予定人数や雇用期間もあらかじめ検討
採用方法の選定と募集開始
- 自社サイトや求人サイトへの掲載
- 人材紹介会社の活用
- 知人・社員からの紹介(リファラル採用)
- 公的機関(ハローワークなど)を通じた募集
各方法にはコストや手間の違いがあるため、目的や予算に応じて適切な手段を選びましょう。
書類確認と在留資格のチェック
- 履歴書・職務経歴書に加えて卒業証明書や成績証明書を確認
- 国内在住者の場合は在留カードの有効性と就労可否を確認
- 偽造カードの見抜き方にも注意(専用アプリの活用も検討)
雇用契約から入社までに必要な準備
契約締結後は、スムーズな入社に向けて生活面のサポートも必要です。
雇用契約書の作成と条件明記
- 労働条件通知書は母国語で作成
- 業務内容や退職時のルールも明記
- 停止条件(在留資格取得が前提)も盛り込む
在留資格の申請・変更手続き
- 必要な書類の作成と提出をサポート
- 不備があると再申請が必要になり、入社が遅れることも
入社準備と生活支援
- 以下のようなサポートが必要になるケースもあります
- 住居探しと賃貸契約の支援
- 銀行口座の開設
- 携帯電話・ライフラインの契約補助
- 引越しの手配と費用負担の検討
- 生活オリエンテーションや社内研修
入国後は14日以内に住民登録が必要なため、役所への同行や手続き支援も必要です。
外国人採用にかかる期間とコストの目安
外国人採用は手間がかかる分、期間と費用の把握も重要です。
採用完了までの期間(目安)
| 採用対象 | 採用完了までの期間 |
|---|---|
| 国内在住者(特定技能) | 約4.5〜5.5か月 |
| 国内在住者(専門職) | 約3〜5.5か月 |
| 海外在住者 | 約5〜7か月 |
採用にかかる費用(概算)
| 採用対象 | 費用相場(1人あたり) |
|---|---|
| 国内在住者 | 約80〜100万円 |
| 海外在住者 | 約100〜150万円 |
主な費用項目
- 人材紹介会社の手数料(理論年収の20~30%)
- 在留資格申請や健康診断などの書類費用
- 渡航費、生活支援、住居準備費用など
採用後の定着支援と職場づくりの工夫
外国人労働者の定着率を高めるためには、受け入れ体制の整備が不可欠です。
定着率を上げるための取り組み
- 定期的な個別面談によるフォロー
- 異文化理解を深める社内研修
- 昇給・評価制度の整備
- 母国語で相談できる窓口の設置
採用した人材に長く働いてもらうには、信頼関係と公平な待遇が大きな鍵になります。
まとめ:外国人採用を成功に導くために
外国人の採用には、在留資格や法令順守、生活支援など日本人の雇用以上に多くの準備が求められます。ただし、適切なステップを踏み、サポート体制を整えることで、企業にとって非常に価値ある人材を確保することが可能です。
採用活動を通して、単なる人手補充にとどまらず、企業のグローバル対応力や組織の多様性を高めるチャンスとして活用しましょう。


