カンボジア人材を特定技能制度で受け入れる際には、送り出し機関との連携、登録証明書の取得、在留資格の申請といった明確なプロセスがあります。
現地からの採用と日本在住者の採用では手続きの流れや必要な費用も異なるため、それぞれの違いを理解することが重要です。
特に費用負担の扱い方によって、採用のスムーズさや応募者の確保に大きな影響が出るため、制度理解と事前準備が求められます。
カンボジア人の特定技能人材としての特徴
カンボジア人は、温厚で勤勉、集団行動にも適応しやすく、日本の職場に馴染みやすい性格と文化的背景を持っています。
職場で評価されやすい特性
- 協調性があり、チーム作業に向いている
- 上下関係を尊重する文化がある
- 日本語学習意欲が高い若年層が多い
- 宗教的に柔軟で、日本の慣習にも対応しやすい
若年層の人口が多く、今後の人材供給源としても注目されています。
特定技能制度におけるカンボジア人の就労分野
特定技能の在留資格で働くカンボジア人は、農業や食品加工分野を中心に活躍しています。これはカンボジアの労働市場と日本の受入れ分野のニーズが一致しているためです。
主な就労分野と人数の目安
- 農業分野:約1,800人
- 飲食料品製造業:750人前後
- 建設分野:500人程度
- その他(宿泊・漁業・航空など):ほぼゼロ〜数人規模
農業分野に特化した人材供給が強みとなっています。
特定技能採用における二国間協定の役割
日本とカンボジアの間では、特定技能の制度を適切に運用するための協定が結ばれています。これにより、不適切な人材の流出や不透明な仲介行為を防止する仕組みが整えられています。
協定によって明確化された項目
- 認定された送り出し機関の使用義務
- 両国での手続きルールの整備
- 求職者の選定や教育基準の明確化
送り出し機関を通じてのみ人材が紹介される仕組みとなっており、信頼性の高い採用が実現できます。
カンボジア現地から採用する場合の具体的な手続き
現地から特定技能人材を採用する場合は、所定の流れに沿って手続きを行う必要があります。
採用手続きのステップ
- 認定送り出し機関との提携
事前に評判や実績を調査し、信頼できる機関と連携を結ぶ。 - 雇用契約の締結
送り出し機関を通して人材と契約。非認定機関経由は認められない。 - 登録証明書の取得
カンボジア労働省に対して証明書を申請。取得には2〜3営業日が必要。 - 在留資格申請・ビザ取得
日本側で在留資格を申請し、ビザ発給後に本人へ送付。 - 出国前オリエンテーション受講
文化や生活マナー、日本でのルールを学ぶ義務研修を受講。
日本在住のカンボジア人を採用する場合の流れ
すでに日本に滞在しているカンボジア人を特定技能で雇用する場合、送り出し機関を利用する必要はなく、比較的スムーズに進められます。
採用の流れ
- 求人情報を公開し、対象者を募集
- 雇用契約の締結
- 登録証明書を本人が申請(カンボジア労働省を通じて)
- 在留資格の変更申請を地方出入国在留管理官署に提出
国内採用の場合は、渡航関連の準備や送り出し手数料が不要な点がメリットです。
カンボジア人材採用にかかる費用と注意点
現地からの採用と国内採用では、かかるコストに違いがあります。企業側が負担すべき項目も多く、あらかじめ予算を把握しておく必要があります。
採用時に想定される費用内訳
| 費用項目 | 相場目安 |
|---|---|
| 送り出し機関手数料 | 20〜60万円 |
| 人材紹介手数料 | 30〜60万円 |
| 渡航費用 | 実費 |
| 在留資格申請費 | 10〜20万円 |
| 住居準備関連費 | 家賃・初期費用等(変動あり) |
| 事前ガイダンス費用 | 1.5〜4万円 |
| 支援委託費(月額) | 2〜4万円 |
| 在留資格更新費 | 4〜10万円 |
企業側が確認すべきポイント
- 渡航費や住宅契約費用は企業が負担するのが一般的
- 本人に負担させると採用が難航する可能性がある
- 一部の送り出し機関では企業負担を義務付けているため、契約前に確認必須
- 住居契約は企業名義で行うのが一般的。敷金・礼金などに対する本人の理解不足も配慮が必要
採用活動の成功に向けた準備と対応策
カンボジア人材を円滑に受け入れるためには、制度理解だけでなく、受け入れ体制の整備や社内の意識づけも不可欠です。
採用活動を進めるうえでのポイント
- 制度や法令を正確に理解したうえで採用計画を立てる
- 日本語教育や生活支援など、社内支援体制を整える
- 誤解やトラブルを防ぐために、本人との意思疎通を丁寧に行う
- 信頼できる支援機関や行政書士との連携を図る
まとめ:計画的な準備でスムーズな採用を実現
カンボジア人を特定技能で採用するには、送り出し機関との連携や在留資格の取得など、明確な手続きと対応が求められます。費用面では企業の負担が大きくなる場合もありますが、事前の準備や制度理解によって無駄なく進めることが可能です。
現地採用と国内採用の違いを把握し、実情に合わせた柔軟な対応を行うことで、スムーズな人材確保と長期的な活躍につなげることができます。


