日本の介護分野では人手不足が深刻化しており、外国人労働者の受け入れが積極的に進められています。その中心となる制度が「特定技能(介護)」です。
本記事では、特定技能「介護」の試験制度、申込方法、具体的な学習対策まで詳しく解説します。試験合格を目指す方にとって、制度を正確に理解し、効率的に準備を進めるためのガイドとなる内容です。
特定技能「介護」とは何かを理解する
外国人が介護職で働ける在留資格
特定技能「介護」は、日本国内の介護分野における人材不足を解消するために設けられた在留資格です。対象となるのは、16分野のうちの「介護」で、1号特定技能に限られています。2号特定技能は他の分野のみ対象です。
従事する業務の範囲
外国人が特定技能「介護」で従事できる業務は、以下のように多岐にわたります。
- 食事や入浴、排泄など日常生活の介助
- 機能訓練の補助
- レクリエーション活動の支援
- 利用者の生活全般のサポート
訪問介護への対応
一定の条件を満たせば、訪問介護などの訪問系サービスへの従事も可能となっています。現場では以下の対応が求められます。
- 初任者研修の修了と1年以上の介護実務経験
- 利用者との信頼関係構築を目的とした同行訪問の実施
- ICT機器の活用による見守り体制の整備
特定技能「介護」の試験内容を詳しく解説
合格が必要な3種類の試験
外国人が特定技能「介護」で働くには、以下の3つの試験すべてに合格する必要があります。
- 日本語能力試験(JFT-Basic または JLPT N4以上)
- 介護技能評価試験(技術試験)
- 介護日本語評価試験(介護専門日本語)
これらは日本国内だけでなく海外でも実施されており、広く受験のチャンスが設けられています。
日本語試験の比較と特徴
| 試験名 | 実施形式 | 合格基準 | 実施頻度 |
|---|---|---|---|
| JFT-Basic | CBT方式 | A2相当以上 | 年6回(日本国内) |
| JLPT N4 | マークシート | N4以上 | 年2回(7月・12月) |
どちらも生活に支障のない程度の日本語力が求められます。試験方式や実施回数に違いがあるため、自分に合った試験を選ぶのがポイントです。
介護技能評価試験の概要
この試験では、介護の基礎的な知識と実技に関するスキルを問われます。
- 実施方式:CBT(コンピューター方式)
- 試験時間:60分
- 出題数:学科40問+実技5問
- 使用言語:現地語(受験国により異なる)
介護日本語評価試験の特徴
介護の現場で必要となる専門用語やコミュニケーションスキルを測定する試験です。
- 実施方式:CBT方式
- 試験時間:30分
- 出題数:15問
- 使用言語:日本語
両試験は同日に受験することも可能です。
特定技能「介護」試験の申し込み方法と手続き
申込手順の流れ
試験の申込はオンラインで行い、以下の手順に沿って進めます。
- プロメトリックIDの作成
- 試験日時と会場の選択
- 顔写真の登録(国内受験)
- 支払い情報の入力
- 予約の確定
申込後の変更やキャンセルには制限があるため、事前に確認が必要です。
受験当日の必要書類と注意点
受験当日には以下の書類を必ず持参しましょう。
- 確認書(Webサイトから印刷)
- 本人確認書類(パスポートまたは在留カード)
※有効期限内で、顔写真付きの原本が必要です。
受験当日の流れを事前に把握する
国内での受験フロー
- 受付:試験開始30分前までに到着
- 本人確認・荷物の預け入れ
- 試験会場へ移動し受験開始
海外での受験フロー
- 受付・本人確認
- セキュリティチェック
- 試験開始
スムーズに受験するためにも、開始時間より早めの到着を心がけましょう。
特定技能「介護」の合格率と受験傾向
令和6年2月の統計によると、以下のような合格実績が報告されています。
- 介護技能評価試験:合格率 約71%
- 介護日本語評価試験:合格率 約68%
特定技能試験の中では比較的合格率が高い部類ですが、基礎知識と専門用語への理解は不可欠です。
試験対策に役立つ教材と学習サイト
無料で使える介護学習テキスト
以下のようなテキストはオンラインで誰でも利用可能です。
- 介護技能評価試験対策テキスト
- 介護日本語評価試験対策教材
- 介護福祉士国家試験一問一答集
- 専門用語集(多言語対応)
どれも実践的な内容が盛り込まれており、独学でも効率的に学習を進められます。
外国人向けオンライン学習サイトの活用
「にほんごをまなぼう」は、介護現場で必要な日本語と知識を学べる自習ツールです。
- Webコンテンツ形式で、スマートフォンやPCから利用可能
- 学習進捗の管理機能付き
- 英語や他言語に対応しており、理解が深まりやすい
- 利用には無料ID登録が必要
短時間でも毎日続けられるように設計されているため、仕事や生活と両立しやすい点が魅力です。
介護分野に特有のポイントに注意
特定技能「介護」は、他の分野と異なる点が多く存在します。
- 「2号特定技能」は存在しない
- 専用の日本語試験が必要
- 訪問系サービスへの対応要件が厳格
制度の違いを理解せずに進めると、手続きや準備に時間がかかる可能性があります。特に初めて外国人を雇用する事業者は、細かい点まで確認することが重要です。
まとめ
特定技能「介護」の制度は、外国人が日本の介護現場で活躍するための重要な仕組みです。試験に合格するためには、制度の理解と適切な学習対策が必要不可欠です。
受験申込の方法や試験内容、無料教材の活用までをしっかり把握し、確実な準備を進めましょう。継続的な学習と正確な手続きが、合格と就労への第一歩です。


