特定技能の在留資格で日本に滞在する外国人は、在留期間が定められており、期限が近づいた際には更新手続きが必要です。更新を怠ると不法滞在となるリスクもあるため、企業側も制度の詳細を理解しておくことが求められます。
本記事では、特定技能の在留期間の概要から更新手続きの方法、必要書類、費用、よくあるトラブルとその対応までを詳しく解説します。申請の準備をスムーズに進めるためにも、早めの行動が重要です。
特定技能の在留資格と在留期間の基本
特定技能とはどんな制度か
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野において、一定の技能を持つ外国人労働者が就労できる在留資格です。対象分野は制度開始当初から拡大され、現在では多様な業種での受け入れが可能となっています。
特定技能1号と2号の違い
| 分類 | 在留期間の上限 | 家族帯同 | 更新可能な単位 |
|---|---|---|---|
| 特定技能1号 | 最長5年(通算) | 不可 | 4か月・6か月・1年 |
| 特定技能2号 | 上限なし | 条件付きで可 | 6か月・1年・3年 |
1号では基本的に短期的な労働力としての就労が中心で、2号は長期就労や生活基盤の構築が可能となります。
特定技能の在留期間更新手続き方法
在留期間更新は余裕を持って進める
更新申請は在留期限の3か月前から可能です。申請準備や書類収集には時間がかかるため、遅くとも4か月前から取りかかると安心です。
繁忙期である1~3月に申請が集中する傾向があるため、その時期に期限が重なる場合は特に注意が必要です。
オフライン申請の進め方
提出から受領までの流れ
- 必要書類の準備(企業・本人双方)
- 管轄の出入国在留管理局に提出
- 審査(1〜2か月程度)
- 結果通知(ハガキ・電話・郵送など)
- 在留カードの受領
オフライン申請時の注意点
- 審査内容には素行や法令順守状況も含まれる
- 書類に虚偽があれば不許可の可能性あり
- 提出先は雇用企業の所在地を管轄する入管
オンライン申請の進め方
利用者の条件と手順
オンライン申請には、あらかじめ「在留申請オンラインシステム」の利用申出を行い、承認を受ける必要があります。
【オンライン申請可能な対象者】
- 所属機関の職員
- 行政書士・弁護士
- 外国人本人(マイナンバーカードが必要)
- 登録支援機関・公益法人の職員
- 法定代理人・親族
申請手順の詳細
- 利用申出書を提出(地方出入国在留管理局)
- 審査後、承認メールが届く
- 必要書類をオンラインでアップロード
- 審査
- 郵送で新しい在留カードが届く
※満了日当日の申請は不可。システム利用にはGoogle Chrome推奨。
更新に必要な書類と準備のポイント
企業側が用意する必要書類
法人と個人事業主では提出書類が異なります。共通して準備が必要な主な書類は以下のとおりです。
- 所属機関概要書
- 登記事項証明書(法人)または住民票(個人)
- 社会保険・税務関係の納付証明書
- 労働保険関連の領収書や納入通知書
- 公的義務履行に関する説明書
分野ごとに異なる追加書類が求められることもあるため、対象業種の要件を事前に確認しておきましょう。
申請人本人が準備する必要書類
申請者本人が提出する書類は多岐にわたるため、余裕を持って収集・整理する必要があります。
- 在留期間更新許可申請書
- 雇用契約書・条件書の写し
- 報酬に関する説明書
- 住民税課税・納税証明書
- 源泉徴収票の写し
- 健康保険証、年金納付証明書など
税金や社会保険料の滞納がある場合、誓約書や追加書類の提出が求められることもあります。
在留期間更新にかかる費用
登録支援機関や専門家に委託する場合
- 各種証明書発行費:300円~600円/通
- 収入印紙代:4,000円
- 申請代行手数料:おおよそ6万円(依頼先により異なる)
外部に依頼することで手続きの手間を軽減できますが、費用はやや高めになります。
自社で対応する企業単独型の場合
- 証明書発行費・印紙代を含め、合計5,000円前後
- 申請にかかる人件費・時間的負担は大きい
- 入管への訪問対応などが必要になるため、事前準備が重要
自力での対応が難しい場合は、無理せず支援機関への依頼も検討しましょう。
更新が間に合わなかった場合の対応策
在留期限までに申請を済ませていれば、満了日から2か月間は特例として在留可能です。この期間内であれば就労も継続できます。
【注意点】
- 申請をしていない場合は不法滞在となる可能性あり
- 手続きを忘れていた場合も速やかに出入国在留管理局に出頭
- 正当な理由がある場合は、更新が認められることもある
審査には時間がかかるため、遅延を避けるためにも計画的な対応が求められます。
更新が不許可になる主な原因と対処法
更新申請をすれば必ず許可が下りるとは限りません。以下のようなケースは不許可となる可能性が高いため、事前に対策を講じておきましょう。
労働条件が不適切な場合
- 日本人と同等の賃金・労働条件でなければならない
- 有給休暇や福利厚生なども同等である必要あり
- 最低賃金以上であっても、同じ職種の日本人と比較される点に注意
税金・社会保険料の滞納
- 滞納があるとマイナス要素として判断される
- 永住権申請にも影響するため、定期的な確認が必要
- 滞納がある場合は納付後、証明書を添付して申請
協議会への未加盟
- 各分野の協議会加入は義務
- 未加入の場合、在留更新が認められないケースも
- 加入は初回受け入れから4か月以内に行うこと
在留期間更新は計画的な準備が重要
特定技能の在留期間更新は、手続きに必要な書類が多く、審査にも時間がかかるため、計画的に進めることが求められます。企業と申請人双方が協力し、期限内に確実な対応を行うことで、就労継続や法的リスクの回避につながります。
更新準備のチェックポイント
- 在留期限の3か月前までに申請開始
- 書類収集・内容確認は4か月前から着手
- オンライン・オフラインの方法を早めに決定
- 協議会加盟や滞納有無の確認も忘れずに
継続的な雇用を実現するためにも、正確かつ早期の手続きを徹底しましょう。


