高度外国人材の採用条件と在留資格制度を詳しく解説

日本では、専門知識と技術を持つ外国人材を戦略的に受け入れるため、高度人材ポイント制を導入しています。この制度は、学歴・職歴・年収などを基準に評価し、優秀な人材を「高度外国人材」として認定します。認定されると在留資格「高度専門職」が付与され、在留期間の延長や永住申請要件の緩和など、さまざまな優遇措置が受けられます。

本記事では、高度外国人材の定義、評価制度、在留資格の申請手続き、雇用時の注意点をわかりやすく整理して解説します。

高度外国人材の定義と対象となる人材

日本における高度外国人材とは、産業の発展や国際競争力の強化に貢献できる高度な専門性を持つ外国籍の人材を指します。対象となる分野は以下の3つに分類されます。

  • 高度学術研究活動:大学や研究機関における教育・研究
  • 高度専門・技術活動:ITや機械、バイオなどの専門職
  • 高度経営・管理活動:企業の経営層や事業管理者

これらの活動を通じて、イノベーションの創出や新しいビジネスの展開が期待されています。

高度人材ポイント制の仕組み

優秀な外国人材を客観的に評価し、効率的に受け入れるために「高度人材ポイント制」が導入されています。活動内容に応じて、複数の評価項目に基づいて点数が加算され、一定の基準を超えると認定されます。

主な評価項目

  • 学歴:博士号(30点)、修士号(20点)
  • 職歴:経験年数に応じて最大25点
  • 年収:年齢別に段階的に評価(例:29歳以下で年収1,000万円 → 40点)
  • 研究実績:論文数、特許取得などを評価
  • 特別加算条件
    • 日本の大学を卒業している
    • 日本語能力試験N1を取得
    • 地方での就労、成長分野での活動

合計が70点以上で高度外国人材として認定、80点以上で永住申請の在留年数が大幅に短縮されます。

高度専門職1号と2号の特徴と違い

高度人材として認定されると、「高度専門職」という特別な在留資格が付与されます。これには1号と2号があり、権利や条件に違いがあります。

高度専門職1号の優遇内容

  • 在留期間は一律で5年付与
  • 複数の就労活動を同時に行うことが可能
  • 配偶者の就労が許可される
  • 条件を満たせば、親や家事使用人の帯同が可能
  • 入国・在留手続きの優先処理
  • 80点以上で、1年の在留で永住申請が可能

高度専門職2号の優遇内容

  • 在留期間は無期限
  • 就労できる職種の範囲が拡大
  • 高度専門職1号の優遇措置を継続適用
  • 3年以上1号で活動した人のみが対象

2号への変更により、日本で安定的に長期滞在・活動が可能となり、生活基盤の強化にもつながります。

高度外国人材を雇用するメリット

企業にとって、高度な外国人材を採用することは、単なる人材補充にとどまらず、経営の強化や新規事業の拡大にも直結します。

海外展開と国際対応力の強化

  • 言語能力や異文化理解を活かして海外市場へスムーズに進出
  • 外国人スタッフが現地との架け橋となり、商談や交渉が円滑に進む
  • 現地の法規制やビジネス慣習への対応がしやすくなる

専門分野の人手不足を解消

  • IT、医療、建築、バイオなど、専門性の高い分野で即戦力として活躍
  • 採用が難しい分野でも優秀な人材を確保可能
  • 高い技術力やノウハウを社内に還元できる

社内の多様性と創造力の向上

  • 異なる視点からの発想がイノベーションを生む
  • 日本人社員の語学力や異文化理解が自然と高まる
  • 社内コミュニケーションの活性化やチーム力の強化につながる

在留資格申請の流れと準備

高度専門職の申請は、状況に応じて3つのケースに分類されます。

日本に新たに入国する場合

  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 入国審査後、日本大使館で査証申請
  • 上陸審査を経て在留カードが交付

すでに日本に在留している場合

  • 在留資格変更許可申請を実施
  • ポイント計算表と証明資料を提出
  • 入管による審査を経て許可されれば、新たな在留カードを交付

在留期間の更新を行う場合(1号)

  • 在留期間更新許可申請
  • 最新の活動内容とポイント計算を基に審査
  • 審査通過後、新しい在留カードを発行

高度専門職2号については、在留期間が無期限のため更新手続きは不要です。

雇用時に確認すべき重要なポイント

雇用する企業側は、制度の趣旨を理解し、適切な管理を行うことが求められます。

単純労働の命令は禁止

  • 高度専門職として認められている範囲外の作業はNG
  • 清掃、荷物運び、データ入力のみといった単純作業は命じられない
  • 採用時の業務内容と実際の業務に乖離があると在留資格の取消につながる

在留カードの内容を必ず確認

  • 在留資格が「高度専門職」であるかを確認
  • 在留期間の有効期限と更新タイミングを把握
  • 資格外活動の有無や、就労できる範囲の確認が必要

在留カードの内容と実際の業務が一致していることを常に確認し、違反がないよう社内の体制を整えることが重要です。

まとめ

高度人材ポイント制は、日本が求める高度な能力を持つ外国人材を戦略的に受け入れるための仕組みです。ポイント制度により公平な評価が可能となり、優遇措置を活用すれば、企業の国際競争力の強化や人手不足の解消にもつながります。

採用に際しては、制度の内容をしっかりと理解し、自社のニーズに合った人材を見極めて受け入れることが、成功への第一歩です。