特定技能の二国間協定と国別手続きの徹底解説

特定技能制度は、労働力不足の解消を目的に導入された制度であり、外国人材の受け入れを円滑に進めるために「二国間協定」が重要な役割を果たしています。二国間協定では、出入国手続きや労働者保護に関するルールを日本と送り出し国が取り決めており、雇用企業はこれに従って適切な手続きを進める必要があります。

本記事では、特定技能における二国間協定の概要と目的、各国との協定に基づく手続きの特徴を詳しく解説します。

特定技能制度における二国間協定の目的

外国人労働者の適正な受け入れのための枠組み

二国間協定は、日本と送り出し国が協力し、特定技能外国人のスムーズかつ安全な移動を可能にする制度的な枠組みです。労働者の保護や適正な雇用条件の整備を目的に、国ごとに異なる内容で締結されています。

二国間協定の主な目的

  • 労働者の出入国に関する手続きの簡素化と明確化
  • 不当な仲介業者や過酷な労働条件からの保護
  • 日本と相手国の労働力需給のバランス改善
  • 雇用トラブルの未然防止と早期対応体制の構築

二国間協定を結んでいる国とその活用の重要性

締結国一覧とその意義

現在、日本と特定技能制度で協定を締結している国は以下の通りです。

  • フィリピン
  • ベトナム
  • インドネシア
  • ネパール
  • カンボジア
  • タイ
  • ミャンマー
  • バングラデシュ
  • モンゴル
  • パキスタン
  • インド
  • マレーシア
  • スリランカ
  • ウズベキスタン
  • ラオス
  • キルギス

これらの国々と協定を結ぶことで、労働者の出国から入国、日本国内での就業に至るまで一貫した管理体制が敷かれ、トラブルの予防と迅速な対応が可能になります。

国別に異なる特定技能外国人の雇用手続き

雇用手続きで異なる主なポイント

雇用元が理解しておくべきポイントは、以下のような手続き上の違いです。

  • 認定送出機関の利用義務の有無
  • 出国前の書類申請や政府機関とのやりとり
  • 就業許可証・ビザの取得方法
  • 現地大使館への報告義務や登録制度の有無

これらは国によって異なるため、雇用を検討する際は協定内容を事前に確認し、スケジュールに余裕をもって準備する必要があります。

認定送出機関の役割と必要性

認定送出機関を通すメリット

  • 労働者との間のミスマッチの防止
  • 契約内容の適正確認
  • 労働者への事前研修や生活指導の実施
  • 手続きの簡素化とトラブル予防

一部の国では、この送出機関の利用が必須とされています。雇用側は必ずその点を確認した上で、適切なルートで採用活動を行うことが求められます。

実際の雇用プロセスにおける注意点

送出国で求められる手続きの一例

以下のような手続きが国ごとに必要になることがあります。

  • 推薦書や登録証明書の取得
  • 海外労働許可証の申請
  • 労働省への出国許可手続き
  • ビザ申請前の身分登録や医療保険加入
  • 求人情報の政府ポータルへの登録

これらのプロセスを進めるには、現地語での申請が必要になる場合もあり、翻訳や現地パートナーとの連携が重要になります。

採用活動前に確認すべきポイント

企業側が準備すべき主な事項

  • 送り出し国の協定に基づく最新の手続き情報を確認
  • 必要書類や手続きスケジュールの把握
  • 労働条件通知書・雇用契約書の正確な作成
  • 現地大使館や労働機関への申請準備
  • 労働者へのサポート体制の構築(住居、生活指導など)

これらの準備を怠ると、在留資格の交付が遅れたり、雇用そのものが無効になるリスクもあるため、確実な対応が求められます。

特定技能外国人の安定した受け入れに向けて

外国人労働者の受け入れには、制度理解と綿密な準備が不可欠です。とくに特定技能制度では、送り出し国ごとにルールが定められており、それに応じた対応が求められます。採用の成否は、こうした協定の理解と実務の正確さにかかっています。

二国間協定の内容や、現地政府との手続きの流れを正しく把握し、余裕をもって対応することが、企業にとっても外国人労働者にとっても、安心・安全な雇用関係を築くための第一歩です。今後の採用活動を円滑に進めるためにも、制度のアップデート情報に継続的に目を向けましょう。